ひもんや俳壇
2014年5月号
一般投句
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草餠の皮の厚目も亡母の味富所 敬子
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春の闇袂にたたむ文ありし戸田 徳子
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満開の花のトンネル雨こぼす滝口 智子
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花明りしてゐる団地昼の雨新田はるゑ
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六年のすぎるは早くそつぎょう式桐井 希海
向原喜楽会・不動会
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金メダル胸に若人ソチの春安藤 虎雄
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お年玉目当ての子らの集合す小澤孝ん子
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春を待つ日溜りのシーサイドカフェ柴崎 英子
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その中のハート型絵馬梅香る武井 康子
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山は山海には海の早春賦飯田久美子
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ほゝゑめる百済観音春寒し久保田光江
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法要を終ヘし境内梅香る鈴木恵美子
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早春の光あつめて軒しづく笹島美和子
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初雪に我を忘れて佇めり廣門登喜子
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解体の埃おさめし春の雪森崎 富貴
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雪ごろもお地蔵さまも重たげに吉田 新子
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梅香る空の彼方の君想ふ川部 義明
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米百俵誇りに建国記念の日仲島 信
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雪降ると電話の孫の声弾づむ藤田 静枝
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頬叩く春一番と思ひけり滝口ふじ子
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クロッカス小さな靴の来ては去る黒澤三主寿
竹の子会
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鶯をまねて応へるひとりかな苅野 玲子
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多摩川の瀬音に遊ぶ春告鳥渡辺 幸江
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先駆けて山茱萸の花香り立つ千葉ゆり子
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鶯やほったらかしの我が庭に安達久美子
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盆梅を土に下して二十年苅野 節子
わかみどり会
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ふんわりとねぎらふ如く春の雪畑山 則子
ミモザ会
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お茶室に著莪の花活け雨の午後佐々木巴里
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主張せぬ紅が好もし藪椿三国 紀子
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大仏の肩より出でて春の月石橋万喜子