ひもんや俳壇

一般投句

• 元朝の富士を仰ぎて深呼吸

  富所　敬子
• すれ違ふ会釈の目元冬ぬくし

  畑山　則子
• 電線の音符のごとき寒雀

  戸上　和
• 寒紅の口よりこぼれ嘘ひとつ

  辰馬　京子
• どの家もコロナ退治に豆を打つ

  木村　遊風

向原喜楽会・原町さくら会

• 落葉降る中のあざやかこの一枚

  鈴木恵美子
• よく晴れし今日こそ終わる大掃除

  小針カツ子
• 大鍋の大根自慢顔をして

  笛吹　敏子
• 庭からも鋏のひびき年用意

  笹島美和子
• 保育園繰り出す川辺小六月

  仲島　信

竹の子会

• 雨音と思へば葉擦れ今日の月

  苅野　玲子　　　
• 絵画館落葉蹴散らし行くブーツ

  渡辺　幸江
• ゼッケンを夜なべして縫ひ応援す

  千葉ゆり子
• 学舎の古きベンチに銀杏散る

  安達久美子
• 吹き寄せて黄色紅色落葉かな

  苅野　節子

ミモザ会

• 春眠の夢のをはりのさだまらず

  佐々木巴里
• 下萌の処選ばぬ強さかな

  三国　紀子
• 手籠より摘みし若菜の香りかな

  石橋万喜子
• とる人もなき豆柿の一景に

  黒澤三主寿