ひもんや俳壇
2021年6月号
一般投句
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春風や棕櫚竹の葉を揺らしをり富所 敬子
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母の日や遺影の母に詫びること畑山 則子
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別れの日小雨の路地に額の花戸上 和
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沈むごと水に影濃し杜若佐藤加代子
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妹は軍手はとられ蟹は逃げ辰馬 京子
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園児らはみんな風の子鯉幟木村 遊風
向原喜楽会
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春暁の空に浮べる月淡し鈴木恵美子
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卒業の皆で歌ひて涙して小針カツ子
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春めくや赤い靴はく子の笑顔笛吹 敏子
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花種の音させ封書届きけり笹島美和子
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雨上がり勢ひたちたる草若葉仲島 信
竹の子会
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春の田にちらりほらりと人の影苅野 玲子
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苗札も象のじょうろを浴びにけり渡辺 幸江
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石垣にひときわ大き藪椿千葉ゆり子
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砂利運ぶトラック陽炎突き抜ける安達久美子
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苗札を読み返す子ら学校園苅野 節子
ミモザ会
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夏草や更地となりし屋敷あと佐々木巴里
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十薬の水辺に高く野に低し三国 紀子
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田植どき夜はどの田にも星沈み石橋万喜子
黒澤三主寿
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春塵を払ひベンチをゆづり会ふ黒澤三主寿