ひもんや俳壇

一般投句

• 初蝉の一声にしてあと途切れ

  富所　敬子
• 新涼やどの部屋からも海の見え

  畑山　則子
• 遠雷や老舗菓子屋の白のれん

  戸上　和
• 踏みしめるペダルや雲の峯生るる

  佐藤加代子
• つゆ草の藍の深さを支ふ葉よ

  辰馬　京子
• ふるさとの景色と届く夏野菜

  木村　遊風

向原喜楽会

• 七変化白に始まる花の数

  鈴木恵美子
• 大輪の雨の紫陽花俯ひて

  小針カツ子
• 肩書はもう何もなし草むしる

  笹島美和子
• 居酒屋の開かずのシャッター夜の秋

  仲島　信

竹の子会

• 夏のれん横目にテイクアウトかな

  苅野　玲子
• 時の日や動画の中で孫育ち

  渡辺　幸江
• 紙コップいっぱいとなる桜の実

  千葉ゆり子
• 時の日や五分遅れの古時計

  安達久美子
• 夕暮の風にふかれて夏のれん

  苅野　節子

ミモザ会

• ひと時はあかりを消して虫の夜

  佐々木巴里
• 冥界へ誘ふごとし鉦叩

  三国　紀子
• 虫の音を聞かむと庭に椅子を出す

  石橋万喜子
• どくだみの花きれいとは思へども

  黒澤三主寿