ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810
2020年07月号掲載
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新型コロナウイルス抗体検査を実施しています


採血による検査で、随時実施しており、予約は不要です。

※2020年7月現在

新型コロナウイルス抗体検査は、感染による生体の免疫反応(抗体形成)をみることで、過去の感染の可能性を診断する血液検査で、現在の感染の可能性をみる抗原検査やPCR検査とは異なります。

感染後1週間程度でIgM抗体が形成され徐々に消退し、遅れてIgG抗体が形成され、こちらは比較的長期間持続しますが、持続期間は抗原(ウイルス)により異なり、宿主(人)の免疫状態にも依存します。 例えばはしかや風疹は終生免疫となりますし、インフルエンザは1年程度しか持続しません。 新型コロナウイルスに関しては未知です。

抗体検査が陰性であれば、過去に罹っていた可能性が低く、これから罹るかもしれないという心配があります。 陽性であれば、免疫があり当面再感染は起きにくい、という嬉しい可能性がありますが、過去に罹っていた(無症状であれば不顕性感染だった)ということで、なんとなく後ろめたくおもわれる方もいらっしゃるかもしれません。

今のところ、新型コロナウイルス抗体検査に関しては、

  1. コロナウイルスには新型以外にも、いわゆる普通の風邪のウイルスも複数存在し、その風邪コロナウイルスとの交差反応で、陽性に出てしまう(新型コロナウイルスに罹ったことがないのに、陽性になる)可能性がある

  2. 過去の感染と現在も持続している感染を厳密に区別できる検査ではなく、今のところ、この抗体検査陽性を理由に、PCR検査は受けられない

  3. この抗体検査で陽性だから、免疫があり感染しない、とは言いきれない

  4. 逆に陰性だから感染したことがないとも言い切れず、今後罹りやすいかどうかもわからない。

  5. 新しい検査なので、精度検証がまだ十分に行われていない

  6. 陽性であっても陰性であっても、検査結果が今後の治療や生活指導に結びつかない

という問題があり、積極的にお勧めする状況にはありません

過去に発熱があったが自宅療養で治ってしまった方や、受診したが当時の基準で専門医療機関や保健所でPCR検査を受ける基準には達していなかった方で、あれは新型コロナだったかも?とおもって、もやもやしている場合には、受けてみてもいいかもしれません。

新型コロナ感染ではない、という診断書を出せというナンセンスな職場も少なからずあり、患者さんからよく相談をうけています。 そのような職場の上司や管理部署に、そんな診断書は出せない、無意味だ、という説明にエネルギーを使い、徒労に終わるよりも、この抗体検査陰性の結果を持って行き、それで安心してもらえるなら、時間と労力の節約になるとおもいます。

逆に抗体陽性の人に海外出張を許可するという使い方をする企業もあるようです。

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