ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
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TEL.03‐5704‐0810
2022年04月号掲載
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ワクチン接種後に運動を!
つらいときは我慢せず消炎鎮痛剤を使って

COVID-19ワクチン接種後の90分間の運動で抗体反応が増す

アイオワ州立大学の研究チームが実施した無作為化試験の結果、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)ワクチンやインフルエンザワクチン接種後すぐから心拍数およそ120~140/分の運動を1時間半(90分間)したところその後数週間の検査でのそれらワクチンへの抗体反応が一貫して非運動群を上回りました。

試験は週に2回以上の程々にきついかきつめ(moderate or vigorous)の運動習慣がある人を募って実施され、Pfizer/BioNTechのSARS-CoV-2ワクチン接種後に90分間の軽め~程々にきつめ(light- to moderate-intensity)の運動をした群のその後の検査での抗体反応は接種後に運動しなかった群を上述の通り上回りました。

重要なことにCOVID-19ワクチン接種後に運動しても副反応は増えませんでした。

ワクチン接種後の運動が抗体反応を上向かせる効果はどうやらCOVID-19ワクチンに限ったことではないらしく、インフルエンザワクチン2種類を接種した42人の検討でも同様の抗体反応増強効果が認められています。

原著:1)Exercise post-vaccine bumps up antibodies, new study finds / Iowa State University
2)Hallam J,et al. Brain Behav Immun. 2022 Feb 5;102:1-10. [Epub ahead of print] Highly fit teenagers coped better with COVID-19 later in life / Eurekalert

ワクチン副反応後に解熱鎮痛剤飲んでも問題なし~九州大など確認

新型コロナウイルスワクチンを2回接種した後に副反応が出た際、解熱鎮痛剤を飲んでも抗体価(血液中の抗体の量)は減らないことを確認したと、九州大病院と福岡市民病院の共同研究チームが発表した。

福岡市民病院の医療従事者や事務職員らに同意を得て、ファイザー社製ワクチンを2回接種した際の副反応の程度や薬の使用状況を尋ね、抗体価を測って統計的に解析した。

対象となった335人のうち45%が発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛、悪寒、腕の腫れなどの副反応に対して解熱鎮痛剤を使っていたが、使わない集団と比べて抗体価に大きな差はなく、どちらも十分な免疫を獲得できていた。解熱鎮痛剤の種類や服用のタイミングによる違いはみられなかった。

抗体価は、副反応が出た人の方が高くなる傾向があり、特に「発熱が38度以上」の集団の抗体価は「37度未満」の1・8倍だった。年齢や性別を問わず同じ傾向で、発熱が体内で抗体を増やす反応と関係している可能性があるという。ただ、37度未満の人でも抗体価は十分な水準だった。

朝日新聞社 2022/03/09
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