ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810
2022年05月号掲載
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「新型コロナ後遺症」が疑われる方はご相談ください

4月に入って、当院でも新型コロナウイルスの患者さんは漸減しており、また流行がオミクロン株にシフトした2月以降、肺炎や心筋炎で重症化する患者さんは全くいらっしゃいません。直接の症状の重さだけからいえば、新型コロナ感染症は例年流行するインフルエンザ以下の「風邪」に落ち着いてくれた感があります。

一方で新型コロナに感染して1~6か月たっても全身倦怠感、長引く咳や痰、呼吸苦、微熱、味覚・嗅覚障害、脱毛などが続く、いわゆる「新型コロナ後遺症」の患者さんが増えています。

新型コロナ後遺症の症状
出典:東京都『新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット』より

新型コロナウイルスの感染から回復しても、様々な症状が後遺症として表れています。また、同時に複数の症状が現れる場合もあります。

強い倦怠感

身体や精神的に「だるい」「疲れた」「疲れやすい」という軽い症状から、「体が鉛のように重く感じられる」といった強い症状まで様々な症状があり、さらに、重症化し「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」に移行する事例も報告されています。

味覚・臭覚障害

「味がわからない」「においがわからない」「本来のにおいとは別のにおいを感じる」など、コロナ診療後も引き続き味覚・臭覚障害が発症している事例が報告されています。

せき・たん

激しい咳が継続するなどの事例が報告されています。

呼吸困難

呼吸困難感などの呼吸器症状が持続し、中には息苦しさで日常生活に支障をきたす事例も報告されています。

発熱

一般的な発熱のほかにも、長時間にわたって「微熱」が続くといった事例が報告されています。

抜け毛

感染中に症状が現れ、療養後も症状が改善しないといった事例が報告されています。



明らかな新型コロナ感染の既往のある患者さんだけでなく、オミクロン株流行以降は感染の自覚はなく、後遺症を疑う症状で来院し、抗体検査を行ってIgG抗体陽性、IgM抗体陰性であることから、感染時には気が付かなかった(極めて軽症だった)が、後遺症だけが出ている可能性がある、といった例も見受けられます。

ただし、これらの症状は新型コロナ感染後遺症に特異的なものではなく、甲状腺疾患やEBウイルスなどの他のウイルス感染、アレルギー疾患、膠原病、副鼻腔炎、そして高齢者の場合には癌やリンパ腫などの悪性疾患によるものである可能性もあるため、すべてをコロナの後遺症、で片づけてしまうことは危険です。

現在のところ「新型コロナ後遺症」の治療に関して、確立した治療法はありません。追加のワクチン接種で改善したという報告もありますが限定的で、それぞれの症状に対する対症療法で経過をみるのが主流です。

当院でも専門外来を設けてはおりませんが、新型コロナ感染後遺症が疑われる患者さんには、がんや甲状腺疾患、他の感染症といった類似の症状をきたす病気の精査と、漢方薬やビタミン製剤を中心した対象療法、必要に応じて専門医へのご紹介もしております。

お悩みの方はご相談ください。

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